平成28年1月よりマイナンバー制度が開始しますが、「国や自治体が勝手に手続きをやってくれるもの」だと勘違いしてはいませんか?
マイナンバーを取り扱う必要があるのは、行政や公的機関だけではありません。マイナンバーの主な利用目的は税金や社会保障関連の手続きですので、民間企業もすべての従業員のマイナンバーを取得しなければいけなくなるのです。
ここでは、会社内で従業員からマイナンバーを取得する方法について、ケースごとに詳しく解説いたします。
給与所得者の税金や社会保障関連の手続きは、本人のかわりに勤務先が行っています。マイナンバーが導入されてもこれは変わりませんから、会社内の実務担当者が実質的な代理人となることになります。
マイナンバーを従業員から提供してもらうためには、まず、事前に利用目的をはっきりと示さなければいけません。これは個人情報保護法の第18条に規定されているルールですので、会社として遵守する必要があります。
また、一度取得したマイナンバーであっても、当初通知した目的とは別の用途に使いたいときは、再度利用目的を追加して通知しなければいけません。たとえば子会社に出向した従業員については、出向先で再度取得し直さなければいけないということです。
二度手間になってしまいますが、マイナンバーは重要な個人情報ですので、運用にあたってはルールの徹底が重要です。
なりすまし等の被害を防ぐため、日本のマイナンバー制度においては番号のみでの本人確認はしない方針となっています。マイナンバーを扱う際には、同時に本人確認もしっかりと行わなければいけません。
個人番号カードを所有している場合にはそれ1枚で本人確認が可能ですが、所有していない場合には複数の身分証明書によって厳格に審査する必要があります。
民間の会社が取り扱うことになるのは、従業員本人のマイナンバーだけではありません。なぜなら、税金や社会保険料の金額算定には扶養家族の有無や人数も関わってくるからです。つまり、必要書類を作成するためには、従業員の扶養家族のマイナンバーも取得しなければならないということです。
ただし、扶養家族のマイナンバーについては、利用目的によって企業側の対応が微妙に異なります。
所得税の年末調整は、従業員が扶養家族の個人情報を提供する形で行われます。そのため、利用目的の通知や本人確認の義務は、従業員本人が負います。会社側が扶養家族の本人確認までする必要はありません。
一方この場合は、会社に届出をするのは被保険者となっている扶養家族自身です。そのため、本人確認の義務を負うのは会社ということになるので注意しましょう。ただし、これは形式上のことであって、従業員に代理で本人確認を行ってもらうことはルール違反ではありません。
従業員のマイナンバーの取得方法については、ほかにもいくつか重要なポイントがあります。簡潔ではありますが、押さえておきたいポイントをまとめてみます。
マイナンバーは平成28年1月からスタートしますが、必ずしもこれまでに取得しておく必要はありません。民間の会社においてマイナンバーを取り扱うのは、あくまでも税金や社会保障関連の事務についてのみです。ですから、関連書類を作成・提出するまでに取得しておけば充分に間に合います。
従業員の貴重な個人情報を取り扱うわけですから、システム面やセキュリティ面に自信のない企業の場合はマイナンバーの取り扱いが難しいかもしれません。そういった場合は、個人情報関連の業務を外部に委託することも認められています。
マイナンバーは、極力他人に教えないように推奨されている個人情報です。そのため、もしかすると番号情報の提供を拒む従業員もいるかもしれません。
しかし、税金および社会保障関係の書類はマイナンバーの記載が必須です。法律や条令で定められた義務なのだということを説明し、理解してもらうようにしましょう。
マイナンバーはまったく新しい制度ですから、会社側としても取り扱いや管理には戸惑ってしまう面もあるかもしれません。実際に運用することではじめてわかる部分も多いでしょうから、今からすべてを覚えることは難しいでしょう。
現時点では、最低限の重要なポイントだけでも把握しておきましょう。
会社内での協力なしには、マイナンバー制度のスムーズな運用は実現できません。これらの点を踏まえて、社内での周知や研修に生かすことができるとよいでしょう。
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